「とくダネ!」はなぜ初音ミクをスルーするのか?
今朝の「とくダネ!」でも取り上げられていた、話題の「美しすぎる動画」。
ニコ動の「踊ってみた」で活躍されている七河みこ嬢の力作。
CGではなく自分で実写で撮影したこの動画は、たしかに神秘的。
「美しすぎる」という枕詞はキライだが、素晴らしい作品であることは間違いない。
こうした個人の活動が注目されることは喜ばしいことなのだが、
残念だったのは、「とくダネ!」が言及したのは、ダンスとロケ地のことだけで、
歌については一切触れられず、テロップさえ流れなかったこと。
なぜ「Hand in Hand(初音ミク/livetune)」とクレジットを入れなかったんだろ。
視聴者の中には「この素敵な歌はなんだろう」と知りたかった人もいるだろう。
そもそも、楽曲提供者のクレジットを掲載しないで放映するのは、礼儀を欠く。
初音ミクは、世間一般から見れば、まだまだキワモノ扱いされている。
今回のような機会は、「へえ。この素敵な歌は初音ミクなんだ。なかなかいいじゃん」と世間様に思ってもらえる絶好のチャンスになりえたはずだ。
なのにスルーである。
もし「ももクロ」の曲で踊っていたら、「ももクロ」(及び曲名)の表示はあったのではないだろうか。
なぜ初音ミクだと、紹介もしてもらえないのか。
初音ミクが世間にきちんと認知されるためには、メディアの露出を通してやるのが近道だ。しかし、やり方を間違えると、かえって敬遠されることになる。
昨年、Mステに初音ミクが出たことは快挙であった。
しかし、「千本桜」という選曲は良かったのだろうか。
あの曲は、たしかに代表曲の1つであるが、「飛び道具的」側面が強い。
個人的にキライではないが、もっと世間に受け入れやすいMSがあるではないか。
初音ミクにも、もう少し、一般受けする曲はたくさんあるではないか。
初音ミクに関心がない人が「千本桜」を聞くと、「やっぱりおたくっぽい」「わけわからん」と思う可能性が大なのだ。
そのあたり、プロデューサーは考えて欲しかった。
ましてや、小林幸子に紅白で「千本桜」を歌わせるなど狂気の沙汰である。
俺でもトラウマになるくらいの悪夢だった。
かつてのトヨタのCMは、「千本桜」のピアノ主旋律だけを使い、
うまい具合に初音ミクを使ってくれていた。
GoogleのCMも素敵だった。
初音ミクが世間にきちんと認知されていくか否かは、
ひとえにメディア側が「どう見せたいか」にかかっている。