ゼロ号試写室

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『ボヘミアン・ラプソディ』は一見の価値あり80点

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【物語】★★★★☆

【演技】★★★★☆

【映像】★★★★☆

 

おそらくブログ主がクイーンを知ったのは、フレディ・マーキュリーが死んだ年の前後である。大学生の時だ。

当時、ベスト盤を1枚買った。

つまり、「知っている」けれど「熱烈フアン」ではない。

その私がかなり満足したから、多くの人も満足するのではないか。

多くの人は、クイーンのフアンを自認していなくても、映画を観ていれば「あ、これ知ってる」「この曲もクイーンだったの?」となること請け合い。

つまり「知っている」けど「熱烈なフアンではない」のだ。

 

物語は、そのクイーンのデビュー前から、伝説のライブまでを映し出す。

奇を衒う筋書きではなく、むしろバンド物にしてはシンプル過ぎるストーリーだ。

メンバーが出会い、成功を重ね、確執や堕落が起こり、それを乗り越え再生する。

この映画は音楽評論家やクイーンのコアフアンに向けられたものではなく、クイーンを知らない人を全力で楽しませようとしていることがわかる。

その点「唸らせる脚本」というわけではないが、誰が観ても楽しめるクオリティを保っている。

 

ゲイ描写もほどほどなのは助かった。

ここは好みが分かれるところだが、ブログ主は苦手なのだ。

余談になるが昨年のアカデミー賞受賞作『ムーンライト』などは、前半は「すごい映画だ!」と興奮したが、後半のゲイ描写が受け付けられず、評価は低めである。

 

演技も良かった。

おそらくクイーンの熱烈フアンなら「フレディはこんなんじゃない」とか「ブラインアンに似てない」とか、色々意見があるかもしれない。

ただ幸いなことにブログ主は、そこまで知らない。

おぼろげにしか知らない。

すると、あたかも本物を観ているような気になった

悪役のゲイも、観ていて本当に胸糞が悪くなったが、それも演技・配役の勝利だろう。

 

映像は、いろんなところで語られているし、映画のキャッチコピーにもなっているが、最後のウェンブリースタジアムのライブシーンは、確かにいい。

ブログ主は泣かなかったが、思い入れがある人が観たら泣くかもしれない。

それくらい迫真の映像だった。

先日、『ウィンストンチャーチル』を観たときにも感じたが、CGの影響力は、SF映画(未来の描写)よりも歴史映画(過去の再現)に力を発揮するのではないかと、改めて感じさせられた。

 

というわけで、ブログ主としては「魂が揺さぶられるほど大傑作」とまでは思わないが、全般的に非常にクオリティが高く、誰が観てもかなり楽しめる一品だと思う。

 

ちなみに、これだけ楽しい映画を撮る監督は誰なんだろう、と思ってブログを書く際に調べらた、おお、ブライアン・シンガーではないか。有名じゃん。

それにしては監督名があまり表に出てこない事を不審に思ってたら、彼が直前に降板していたことを知った。

そういうゴタゴタも、クイーンの映画には似合っているのかもしれない。

 

このブログを書いた11月24日は、たまたまだが、フレディの命日だった。

ブログを書きながらアマゾンエコーでクイーンの曲をシャッフル再生している。

書き終える今、ちょうど「ボヘミアンラプソデイ」の「マンマミーア」が聞こえてきた。

 

これがクイーン、これがフレディに違いない。