ゼロ号試写室

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『デッドプール』76点

www.foxmovies-jp.com

 

【物語】★★★☆☆

【演技】★★★★☆

【映像】★★★☆☆

《総合評価》76点

 

最初は鑑賞するつもりがなかった。

コメディ映画は好きだが、「おちゃらけ」「ギャグ」映画は嫌いだから。

えてして、ダジャレとウケねらいの演出のオンパレードで、

映画作品としてのクオリティが低いからだ。

これも、その手の映画だと思っていたが、意外に評価が高いレビューが散見され、

気になって映画の日に見に行った。

結構面白かった。

笑いは予想通り(あるいは少し下回る)が、

映画の出来は、思った以上にしっかりとできていた。

 

物語は基本的に単純だ。

ガンで余命宣告された主人公に悪の組織が「人体実験を受けろ」と勧誘する。

実はこの組織、ミュータントの人身売買をしていた。

主人公は捕らえられ、拷問され、改造されるが、なんとか脱出する。

超人的な回復力を身につけ、ガンも克服するが、

脱出の際に半殺しにあい、また、火事にみまわれ全身ケロイドになる。

あとはお決まりの、ヒーローVS悪の組織、である。

とりたてて意表をつくストーリー展開はないが、

一本調子で話を進めるのではなく、カットバックを挟んで、

飽きないような話の展開をするあたりは面白い。

 

また、ストーリーではないが、主人公のキャラ設定はなかなか新鮮。

一言で言えば色物。

ちょっぴりの正義感は宿すものの、品行方正の真逆の人間で、

下ネタと人をちゃかす思考回路が常にフル回転している。

やや過剰で鼻に付くところもあるが(予告編では、ちょっとそこを恐れていた)

思ったほど、悪くなかった。

 

演技は、考えてみるとよくやってる。

というのも、覆面をかぶっているのに、きちんとコメディをしているからだ。

顔を見せたほうが、顔芸などで笑わせることができるのに、

そのハンデを克服してコメディをやってのけているのだから、

脚本のうまさと、演技力の勝利だろう。

周囲のサブキャラもいい味を出してる。

X−MENの仲間や、バーのマスターの親友など、

どいつもなかなか笑わせる。

 

映像は、しっかりきっちり金をかけており、見応えあり。

アクションシーンもかっこいい。

このあたりで手を抜かれると、単なるギャグ映画になるので一安心した。

 

原作は知らないが、映画単品として悪くない作品である。

ただ、女性および未成年者は、楽しめないかもしれない。

オッさんがアクションと下品な笑いを楽しむのに、うってつけの作品だ。

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