『GODZILLA 決戦機動増殖都市』は決定的に物足りない 61点
【物語】★★☆☆☆
【演技】★★★☆☆
【映像】★★★☆☆
《総合評価》61点
前回の第1作を鑑賞した時は観客5人でビビったこのシリーズ。
今回は初日ということもあって、夜の上映も8割席は埋まっていた。
結論から言うと、前作ほどではないけど楽しめた。
ただし、物足りない。
ブログ主は「満たされずに」劇場を後にした。
以後、バンバンネタバレなので、嫌な方は先は読まないように。
ここからネタバレする。
なぜ満たされないのか、映画を見終えた人なら「言わずもがな」だろう。
メカゴジラがいないのだ。
そんなバカな。
ポスターにも「人類最後の希望」とルビを振った「メカゴジラ」の名前があったし、
映画公開を期にこんなソフビも発売されている。
当然、視聴者としてはゴジラ対メカゴジラの死闘を期待せずにはおれない。
まあ、最後はゴジラが勝つんだろうけど(笑)、メカゴジラのハイテク武器がゴジラを追い詰める描写は、この映画の1番の見所になる。
誰がそのことを疑うだろうか?
それが見事に期待を裏切られるのだ。
メカゴジラは本作には出てこない(おそらく次作にも)。
ざっくり言うと、話の展開はこうだ。
・地球にメカゴジラの残骸が残っていた。
・メカゴジラの素材「ナノメタル」は自律的に増殖を続け、都市の規模になっていた。
・もう一度メカゴジラを作るより都市そのものをゴジラ撃滅の罠とする方が勝率が高いとの意見が採用される。
よって、メカゴジラは本作では登場しないのだ。
「そんなことを言いながら、最後はメカゴジラが登場するんでしょ」と思って見続けたが、残念ながら登場せずに終わった。ナノメタルの都市もゴジラに壊滅させられたので、次作で復活することも、まずないだろう。
確かに、新しい展開である。
予想を裏切られたストーリーだ。
それに、斬新な展開の割には、致命的な欠陥がある。
話の展開が前作と同じパターンになってしまっているのだ。
前作、ハルオたちはホバーバイクみたいな乗り物でゴジラを罠まで誘導し、背びれを破壊して、そこに杭を打ち込んで、ゴジラを倒そうとした。
実は今作でも、ほぼ同じことが繰り返される。ナノメタルによって少し強化された飛行ロボットでゴジラを罠(メカゴジラシティ)まで誘導し、背びれを破壊して、そこに杭を打ち込むのだ。
この既視感は、思ってた以上に重複する。
前回は戦闘シーンを見て「すごい」と思ったが、あまりに展開が似通っているので、興奮の度合いは前回よりも大きくトーンダウンせざるを得ない。
ベタな展開でも、ゴジラとメカゴジラが戦っていれば、興奮の度合いは高まったと思うのだが・・・
例えが適切かどうかわからないが、「美味しい海老天が食べられる」と聞けば、大きな海老を想像するだろう。それが、海老の姿が見えず、例えばミキサーでペースト状にされた海老天が出されれば、いかに美味しくても「物足りない」と思うだろう。
本作はそんな感じの物足りなさが、どうしても拭えない。
メカゴジラ、見たかった。
そんな欲求不満を抱えてしまった人はぜひ「レディプレイヤー1」を見よう(笑)
ちなみに本作の最後で、メトフィエスの故郷を滅ぼした怪獣の名が明かされる。
ゴジラフアンなら、もう、妥当すぎる名前なのでなんの驚きもない。
いっそ「メガロだ」とか言われた方が、よっぽど興味深いと言うもの。
その怪獣と、ゴジラと、壁画に書かれている蛾が、次作では暴れるのだろう。
んー、ラドン抜きの「地球最大の決戦」になるんだろうなあ。