ゼロ号試写室

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評判に違わぬ良作サスペンス『ゲット・アウト』80点

getout.jp

【物語】★★★★☆

【演技】★★★★☆

【映像】★★★☆☆

《総合評価》80点

 

予告編を見た時から面白そうと思っていた作品。

劇場で観る機会は逸したが、レンタルで即鑑賞。

噂に違わぬ面白い映画で大満足。

これ、好き(笑)

 

このブログを書くときに知ったが、アカデミー賞脚本賞を受賞したとのこと。

まあ、受賞していなくても、このストーリー、脚本の評価が下がるわけではない。

それくらい、いい。

まずシチュエーションが、新しく、刺激的、かつシンプル。

黒人の彼氏が、白人の彼女の実家(田舎)に行く。

そこで黒人に対する、妙な眼差し、言動に、自然に違和感を抱き・・・・

そこからはネタバレになるから言わないが、黄色人種のブログ主でさえハラハラしたのだから、米国の白人、黒人は、このシチュエーションにもっとハラハラすることだろう。

そこにサスペンスの要素が、うまく入ってくる。

この組み合わせは、ありそうでなかった。

ストーリーも最後まで納得できるものである。

強引にまとめたり、放り投げたり、変な精神世界に逃げていない。

心地よい物語を、最初から最後まで集中できる。

 

演技も控えめでいい。

自然な感じの、抑えめのトーン。

それが不気味さを醸し出し、かえって観るものの神経を逆なでする。

あと、オスカーの受賞こそ逃しているが、作品賞と主演男優賞にノミネートされている。作品賞はやや過大評価しすぎじゃないかと個人的には思うが、主演男優賞は納得。

つまり、アカデミー賞級のサスペンスなんですよ、この映画。

面白くないわけがない。

 

映像も良い。

なんというか、適切な場面で、適切な量、適切なクオリティで提供される感じ。

すごいVFX雄大な景色を堪能するわけではなく、映画の世界にきちんと没入させてくれる映像を享受できる。

 

実はこの映画をレンタルで見る半日前に、『インディペンデンスデイ・リサージェンス』を鑑賞した。もともと見るつもりはなく、子供が熱を出して学校をやすみ、暇だから見たいというので、付き添った。私は劇場で鑑賞済み。

みなさん、この映画見ました?

控えめに言って、ひどい映画だ。

豪華キャストでVFXバンバン使った超大作だが、私は2回見て2回とも、本当の駄作で時間の無駄だと思った。

このブログでも、評価し忘れてるくらい、どうでもいい作品。

なぜそんな酷いのかというと、ひとえに、脚本だと思う。

よくあんな脚本で180億円の製作費を投じようと思ったものだ。

それにひきかえ『ゲット・アウト』は5億円。

いかに映画では脚本が大事か、改めて思い知った1日だ。

 

こうした作品を評価し、アカデミー賞の俎上に上げるアメリカは、やはりこの先も映画の覇者となるだろう。この作品を評価したアメリカ、アカデミーも評価したい。