ゼロ号試写室

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『ブレードランナー2049』84点

www.bladerunner2049.jp

 

【物語】★★★★☆

【演技】★★★☆☆

【映像】★★★★☆

《総合評価》84点

 

往年の名作の、新作である。

観る前は心配していた。

『マッドマックス 怒りのデスロード』になるか。

『エイリアン コヴェナント』になるか。

果たして、心配は杞憂に終わった。

前者である。

つまり、良い続編であった。

 

前作から数十年後の舞台。

ストーリは、前作を見ていれば、より直感的に理解できるが、

前作を見ていなくても、そこそこSF映画慣れした人であれば理解できるレベル。

(ちなみにブログ主の隣に座っていた女性はチンプンカンプンだったらしく、隣の彼氏に逐一説明を求めていた)

鑑賞前に見たいくつかのレビューでは「退屈」みたいな書き込みがあり、「おいおい、ブレランはそもそもやや退屈な映画だろ? 何言ってんの?」みたいに思っていて、多少の退屈は覚悟して行ったのだが、約3時間、全く退屈しなかった。

さりとて、マイケル・ベイの映画のように爆発シーンとCGとアクションシーンのオンパレードみたいな安っぽい作りでもなく、非常にバランスの良い仕上がり。

しかも、脚本的にも好み。

ストーリーは観てのお楽しみだが、感情移入しやすく、心にしみる。

ブレードランナーの正当な進化系として受け入れられる。

 

演技は、個人的に大好きなライアン・ゴズリングが出ているだけでもう満足。

影がある主役をやらせて、これほどクールな男は今いない。

世界観にマッチしていて申し分なし。

ハリソン・フォードは、期待以上でも以下でもなし。

ただし、スターウオーズの新作と比べれば、ブレードランナーの新作の方が、個人的には好みである。

 

映像は、特筆すべきほどではないが、前作に負けじと頑張っている。

今のCG技術を持ってすれば、そんなに飛び抜けたレベルではないが、乾いた未来感が、これまた俺ごのみ。この世界観を構築したリドリー・スコットとシドミード、その世界観を受け継いだ本作に敬意を表する。

 

しかし、リドリー・スコットが監督するのではないと知った時にはやや心配したものだが、全くの杞憂だった。

むしろ、『エイリアン コヴェナント』を観たあとでは、リドリーが監督をしなくて本当によかったと思う。