『ドリーム』81点
【物語】★★★★☆
【演技】★★★★☆
【映像】★★★☆☆
《総合評価》81点
『ララランド』より米国では評価が高かったのに(アカデミー作品賞ノミネート)、
日本ではなかなか公開されなかったとの訳あり作品。
そりゃ、ライアン・ゴズリングも出ないし、『ムーンライト』のように実際にオスカーをとったわけでもなく、女性問題・黒人問題を扱った作品なんて、日本での興行があまり期待できるもんではない。
でも、モノは本当に良かった。
観て、大変爽やかな気分になれた。
NASAという、世界でも一番頭のいい連中が、世界的な偉業をやってのけるところで、
黒人差別がこんなにも「当たり前」だったことは、言われてみれば「そうかもしれない」と思った。
当時としては、それが普通で、別に悪気はなかったのだろう。
本作のいいところは、それを、テンポよく、コメディタッチで描いているところ。
これを辛気臭くやられたのでは、真面目な、つまらない映画になっただろう。
主役三人は、はっきり言って私は知らない。
それよりも注目に値するのは、ケビン・コスナーとキルティン・ダストンの脇役。
二人の存在が、映画の価値を高めている。
ケビン・コスナーの役回りは、いわゆる「美味しいところ」だが、
キルティン嬢の役回りは、むしろヒール。
スパーダーマンのヒロインだった頃は「なんでこんなブサイクが」と思ったものだが、
本作では実にいい感じで、嫌な奴を演じていて、これがいいスパイスになっている。
テーマの良さに甘えず、脚本、演出をきちっとして娯楽映画として完成させたところが、本作の成功ポイントだろう。