『ソウルステーション:パンデミック』は『新感染』と同様に面白い。76点。
【物語】★★★☆☆
【演技】ーーーーー
【映像】★★★☆☆
《総合評価》76点
思わぬ拾い物だった『新感染』の前日譚アニメ。
監督も同じ(アニメが本業)。
前回は「期待していなかったが」、今回は「期待を裏切らなかった」。
つまり、面白かったと言うこと。
あくまで、ゾンビ好きの人に限る、と言うことだが。
この監督の映画のいいところは、変な斬新さを狙わず、丁寧なストーリーテリングを心がけることだろう。
本作も、ストーリーはシンプルながら、テンポよく、過不足なく、興味深く話しが進んでいく。話の背骨が非常にしっかりしていて、心地よい。
案外、これが難しい。
強引な筋書き、映像や演技による誤魔化しで、「物語が雑だなあ」と感じる映画は、日本でもハリウッドでも多い。
目新しい要素はないが、客が堪能できる料理をきっちりと出してくれる。これ、非常に大事。満足感が違う。
個人的には、ゾンビとしての新情報は得られなかったが、韓国の事情が色々分かったことは副産物として収穫だった。
経済格差(駅のホームレス)、根強い男尊女卑もそうだが、「お国のため」と言う考えが彼の国にはあるのだと言うことを改めて思い起こした。韓国だけでなく、やはり、徴兵制がある国は、「国に仕えた」と言う意識を持つのだ。日本で今、「俺は国のために尽くした」と言える人は、本当に少数派だろう。
アニメーションの技術であるが、これが高いか低いかは、ブログ主にジャッジすることはできない。一見アメコミ調っぽく、ペラっとした感じであるが、個人的にはまったく気にならない、普通に楽しめる映像だった。
ジブリや新海誠映画と比べると、そりゃあ「画」は違うかもしれない。
でも、もともと「画」を堪能する映画ではないと思うしね。
どちらかと言うと大友克洋系の映像かもしれない。
補足(ネタバレ含む)
物語に新規性、斬新性がないような書き方をしたが、クライマックス直前、あっと驚く展開が一つ隠されている。この辺りは脚本の勝利で、小気味好い。