ゼロ号試写室

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『サバイバー』70点

survivor-movie.jp

【物語】★★★☆☆

【演技】★★★☆☆

【映像】★★☆☆☆

《合計評価》70点

 

タイトルが「やっつけ映画」っぽかったので、

あまり期待しないで鑑賞。

ハードルを下げていたせいか、わりと楽しめた。

 

物語は、基本的には『女・逃亡者』。

ミラ・ジョヴォビッチ扮する主人公は米国外務省のエリートで、

ロンドンに勤務中、テロ組織の陰謀に巻き込まれ、命を狙われる。

運良く危機を脱したが、仲間が巻き添えになって死に、

ミラは容疑者として疑われ、味方からも、テロ組織からも追われる身となる。

異国の地で、あまり頼れる者もいない状況下、孤独な逃走劇が始まる。

 

シンプルでよくある筋書きだが、裏を返せば鉄板のシナリオとも言える。

孤立無援の主人公の逃走劇は見ていてハラハラ。

100分程度の短めの作品だが、テンポ良くダラダラしない。

 

ミラ・ジョボビッチは、どうしてもバイオハザードの印象が抜けないが、

それなりに頑張って演技をしていた。

ミラを追いかけるテロ組織に雇われたヒットマンが、ピアーズ・ブロスナン。

もとジェームズ・ボンドが、今回はエージェントを狙う殺し屋だ。

悪くはないが、それほど印象に残る演技でもなかった。

ピアーズ・ブロスナンは『クーデター』の方がいい演技をしていた。

 

なお、本作の一番のビッグネームは、制作のアーウィン・ウィンクラーにちがいない。

どれくらいビッグネームかというと、『ロッキー』の製作者である。

過去にかなり多くの名作を手がけているレジェンドなのだが、

本作はなぜか「B級」感が拭えない。

最初はミラやピアーズが「B級」感を醸し出しているのかと思ったが、

ミラだって、リュックベッソンに鍛えられた女優である。

ピアーズも、元ジェームズ・ボンド

お互いに、今が絶頂期ではないとはいえ、B級俳優とはいいがたい。

 

最後の方まで観ていてなんとなく「なぜB級感を感じるのか」が、わかった。

映像が、安っぽい。

カメラマンか、照明の問題だろう。

全体的に、平面的でのっぺりとした画(え)なのだ。

ロケ地はロンドンなど、なかなかいいところで撮影しているので、

もっとうまく撮影すれば、どのシーンも絵葉書になるような、

かっこいいショットにできたかもしれない。

しかし、ラストのタイムズスクエアのシーンにしても、

画が、あまり魅力的ではない。

だから、印象にあまり残らないのだ。

 

ちょっと惜しいな、と思える作品である。