『ハンガーゲーム FINALレジスタンス』40点
落合博満の映画鑑賞読本『戦士の休息』(岩波書店)をご存知だろうか。
「落合」「映画」「岩波」という3つが1冊の本としてコラボするのは、
「意外」以外の何物でもないが、なかなかこれが、読み応えたがある。
この本の特徴は、基本的に落合は「ほめる」ことだ。
批評するのではなく、野球の話などとからめ、評価するのだ。
(野球の話と、これがうまく絡み合うのだ。不思議・・・・)
そんな落合が唯一「これは見ていて頭に入らなかった」という映画がある。
『パイレーツカリビアン』。
言ってはなんだが、これよりつまらなさそうな映画も、落合は相当褒めている。
落合自身、最初はなぜこの映画を受け入れららないのかわからなかったそうだが、
観終わってから理解できたという。
「この映画は続編がある前提で作られた作品だ」
つまり、映画自体が作品として完結していないものは、
映画として認めることも評価することも難しい、ということだ。
この気持ちは、よくわかる。
その最たる悪例である。
http://movies.yahoo.co.jp/movie/ハンガー・ゲーム+FINAL:+レジスタンス/351163/
【物語】★☆☆☆☆
【演技】★★★☆☆
【映像】★★★☆☆
《合計評価》40点
前作(1と2)を観ていない人にとっては、さっぱり意味がわからない映画なのだ。
とりたてて大きな見せ場も、単品で観た場合の物語もない。
しかも、このあとに「4」があるので、話が途中で終わる。
単品としては、商品として失格だ。
1は、そこそこ好きである。
2も、やや単品としては甘さもあるが、観れた。
でも本作は、途中でいやな予感がしはじめて、それがあたった。
最終話「4」につなげるための、つなぎでしかない。
しかも、相当便利に使われているw
予算もかけている映画で、出演者も私好みのしぶい役者がたくさん出ている。
(フィリップ・シーモア・ホフマンに合掌)
応援したい気はやまやまあるのだ。
「4部作で評価してよ」
と作者は考えているかもしれないが、それならそれで、つくりようはあるはずだ。
『ロード・オブ・ザ・リング』なんて、毎回満足できた。
作り手は、一球入魂ではないが、一作入魂で映画を作って欲しい。