勝手に「初音ミク」Blu-rayベスト1を発表する(後編)
先日に引き続き、独断で選んだ初音ミクBlu-rayのベスト1を発表する。
ベスト1は、、、、、、、
「HATSUNE MIKU EXPO in Newyork」だ。
この1位には賛同いただけない人もいると思う。
でも「勝手に選んだ」ものなので許してほしい。
1位に選んだ理由は、大きく分けて3つある。
1つは、曲のバランスが良いことだ。
定番曲から、比較的新しめの曲、そして英語バージョンと、多彩である。
『マジカルミライ』や『ミクの日感謝祭』などは回を重ねるごとに、新しい曲を取り入れていかざるをえない宿命にあり、ともすれば、「いい歌」より「新しい歌」が入る傾向にある。しかし本作では、ニューヨークのフアンに対する初のお披露目コンサートということもあり、定番の神曲が揃っている。
また、比較的会場が一体になって盛り上がれる曲(ポッピッポーや秘密警察)が多い。
2つめは、ミクさんのモデルが、くっきり投影され、存在感があること。
おそらく『ミクパ』モデルだが、こころなしか、体型はお姉さんになっている。
(顔のおさなさはそのまま)
おそらく、最新モデルは『マジカルミライ』だと思うのだが、やや希薄な印象を受ける『マジカルミライ』ではなく、『ミクパ』モデルを採用したことは、良かったと思う。
また、ステージ演出もなかなか楽しめる。『マジカルミライ』のような巨大スクリーンでも『ミクパ』のような2階建スクリーンでもない、平家建てのシンプルなものだが、見ていて飽きさせない、うまい演出が施されている。
3つめは、現地の反応である。
外国のフアンの熱烈な応援がちょこちょこインサートされるが、
「世界でもミクさんは愛されているんだ」と思うと、日本人として胸熱である。
約1名、奇声をあげる女性フアンがいるが、これはご愛嬌だ。
なお、特典映像で現地のフアンの盛り上がり、コンサート前や後のインタビューが収録されているが、これも見ていてすごく面白い。
自称「最高齢フアン」のオッさんが出てくるのだが、こいつが名言を吐くのだ。
「なぜそんな歳になってミクにはまるのか」だって?
そりゃあ、俺が若い時にミクがいなかったからだよ。
その通りっすよ、先輩!
・・・とまあべた褒めしているわけだが、難点がないわけではない。
実は音響や歌声の録音状況(あるいはスピーカーの出力状況)が、いまいちなのだ。
特に鏡音レンの声は、ダミ声になっている。
ライブDVDで音声やよくないのは、考えてみると致命的である。
ただ、それを補っても、このブルーレイは、何度も見たくなる逸品である。
本当ならこの1位は、『マジカルミライ2015』になるべきだった。
『2014』の希薄さを解消する、プロジェクターの増設。
『2015』のキズキズスクリーンや、オタクのアップ映像もない。
完璧な『マジカルミライ』は、1位になるポテンシャルがあったはずだ。
なのに、カメラワーク、編集が、その全てを台無しにした。
ミクさんをよく見れない、いまいち盛り上がれない作品になってしまった。
技術の進歩も大事であるが、やはり最後は、作り手の「ミク愛」じゃなかろうか。
今でも「本当はこっちが1位じゃないか」と迷っている『最後のミクの日感謝祭』にしても『ミクパ』にしても、そうしたミク愛がビンビン伝わって来る。
この『MIKU EXPO』もそうだ。
しかし、なんとなくだが、『マジカルミライ』からはそれがあまり感じられない。
『2013』はまだましだが、そのあと2つは、正直どうかと思う。
次回の『マジカルミライ』を買うかどうか、正直迷っている。