『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』24点
【物語】★☆☆☆☆
【演技】★☆☆☆☆
【映像】★★☆☆☆
《合計評価》24点
断言する。
失敗作だ。
私(おっさん)だけでなく小学生の娘もそう言ってるから間違いない。
最初に断っておくが、子供向けのアニメの中にも、すぐれた作品はたくさんある。
子供がちいさいので、ちょくちょく親子で観に行くのだ。
『プリキュア』の映画は10本近く見たが、なかなか楽しめる。
最近だとCGアニメ『ガンバの冒険』も面白かった。
この映画は、本当は『妖怪ウオッチ』を観ようと思っていたのだが満席で諦め、「ハズレ1位ドラフト」のようなかたちで、代わりに娘と観に行った。
国民的長寿アニメなので、「はずす」ことはなく、安定的に楽しめるだろう。
そんな期待をしていたのだが、見事に裏切られた。
その1、話がつまらない。
たいした事件も冒険もおこらない。「まる子の世界観を楽しめ」ということなのかもしれないが、そんなにまる子が好きなわけではない観客は、見ていて暇である。
また、後半少し冒険的な要素もあるのだが、ほとんど努力しないまま、超ラッキーで解決してしまう。子供でもわかるご都合主義だ。
その2、キャラクターが薄っぺらい。
今回は国際交流がテーマらしい。で、外国人がたくさん出てくるのだが、ブラジル人は踊りまくり、インド人はナマステナマステうるさいし、テンプレート的なひどい扱い。
しかも、全然話に活きてこない。ただ奇人変人が大集合しただけみたいな。
「イタリアではマルコ(まるこ)が男性名である」ことが唯一の、ストーリーとの絡みである。それも結構安直というか強引なのだが。
ちなみに【演技】を★一つとしたのは、外国人役の声優のこと。ローラとか劇団ひとりとか、彼ら声優陣がひどいのではなく、まったくつまらない役にアテンドし、彼らの良さも何も生かしていない監督やプロデューサーが猛省すべき。
実はこの映画、「売り」というか「見どころ」はあるのだ。
だがそれは、制作サイドがそう思っているだけで、観客は(少なくとも俺は)ドン引きだった。それは何か。
まる子の恋である。
イタリア人少年との淡い恋心の描写が、結構出てくる。
有権者の皆さんに問いたい。
「ちびまる子」ちゃんに恋愛要素を求めますか?
『プリキュア』とか『ラブライブ』ならまだしも、「ちびまる子」ですよ。
あの顔のアップがスクリーンで10秒くらいキュンキュンしてるんですよ。
それ見て、萌える?
「本気か!?」と思った。
あの絵柄や世界観やキャラ設定は、そういうのとミスマッチでしょう。
見ていてさぶかったよ。
で、こんなにひどく原作レイプされてさくらももこも可哀想だなあと思ってたら、
エンドクレジットに「原作・脚本 さくらももこ」とあった。
さくらさああああああん!