『ザ・ガンマン』69点
【物語】★★☆☆☆
【演技】★★★☆☆
【映像】★★★☆☆
《合計評価》69点
先に言っておこう。
悪くはない。
でもこれ、「見ても損はないけど、見逃してもまったく損はない」感がありあり。
付き合い始めたカップルが見る無難な映画としてもってこいだね。
これ、監督のピエール・モレルを信じて観た映画なんだよね。
『96時間』のリーアム・ニーソンはかっこいいし、『パリより愛をこめて』のジョン・ハゲ・トラボルタも、いい味出してた。超大作じゃないけど、小気味よいアクションをそつなく作らせたら、ピエールはいい仕事するんですよ。
今回もそんな感じだけど、なんだろう、この物足りなさは。
小気味よさもそつなさもあるけど、何かが足りない。
ペンか?
ショーン・ペンのせいか?
最後まで、なぜペンが主役をやらなきゃいけないのか、よくわかんなかった。
確かに、一見ひょろっとしてて、実はマッチョ、というのは意外性のあるキャラかもしれないんだけど、う〜ん、なんか魅力的ではない。ミスマッチというかアンバランスというか・・・
あと、話もなんか、いまいちなんだよね。
アフリカとかスペインとか、ロケ地は魅力的だけど、必然性がいまいちない。
敵も、ところどころ間抜けで、プロっぽさが感じられず、ラスボスもしょぼいし。
こりゃあ109シネマズでは上映されず、新宿バルトどまりも頷けます。
たぶんこれはですね、大人の事情なんですよ。
ピエール・モレルがおそらく、クロックワークスと「何年間で何本映画を撮る」みたいな契約をしていて、そんなに乗り気じゃないけど、最低限の仕事はしなきゃ、ってことで、無難に一本撮った。
そんな感じ。
で、主役はそこそこ有名でギャラの安い人を探す必要があったので、真っ先にニコラス・ケイジに依頼したけど断られて、代わりにショーン・ペンに話を振ったんですよ(空想)。
あと、ハビエル・バルデムの無駄遣いやめようよ。
いい感じに登場するけど、意外に何もせず去っていきます。
本当はこいつが真の敵だったというストーリーだったけど、何らかの事情で変更せざるを得なくなったんじゃないか、と勘ぐりたくなるくらい、中途半端です。
まあ、観て後悔はありませんが、なんかもったない一本。