ゼロ号試写室

映画やDVDの感想。たまに初音ミク&仕事の雑感他。

『バイオハザード ザ・ファイナル』36点

bd-dvd.sonypictures.jp

【物語】★★☆☆☆

【演技】★★☆☆☆

【映像】★★☆☆☆

総合評価:36点

 

まあ、所詮は「バイオハザード」なので大して期待せずに、

ハードルを下げて鑑賞したのだが、そのハードルをさらに下回っていた。

「観なくてもいい映画」の誕生である。

 

あらすじは、あるようで無きに等しいのがこのシリーズのお約束。

アリスとアンブレラ社+ゾンビがバトる。

それ以外は全て、つじつま合わせである。

「最後を見届けよ」という本作のキャッチコピーであるが、

その最後も、全然、本当に対したことがない。

最後かどうかも怪しい。

 

いいのよ、このシリーズに物語は(笑)

そんなものは1作目からなかったんだから。

このシリーズの生命線は、ホラーテイストのアクションとCG。それが全て。

前作までもそうだったし、それが許されるシリーズだった。

だがしかし。

本作ではそのアクションとCGも、なんだか期待はずれ。

目新しい見所はないし、過去の焼き直し的な映像のオンパレード。

そして決定的な問題が「暗いシーン」の多さ。

何か戦闘をしているようなのだが、暗くてわからない。

『AVP2』と同じくらい、暗くて、よくわからないシーンが多い。

これは絶対にライティングミス。

もしくは、低予算だからあえて照明を落として、

セットのチープさをごまかしているか。

 

おそらく、スポンサーがそれほどつかなかったのだろう。

だから「バイオハザードシリーズの金看板はついているが、しょぼい。

それでもなんとか稼がなければいけない。

特に、本家とも言える日本で稼がねば。

どうする?

ということでローラがキャステイングされたのではないかと

ブログ主は妄想する(笑)

 

いずれにせよ、見るべきところのない映画であった。

その前日に見た『キングオブエジプト』もひどかったが、

こっちはまだ、おっぱいがたくさん見れた(着衣)

 

バイオハザード ザ・ファイナル』は、本当に何もない。

「なんとなく見れる」レベルになっているのは、ある意味大したもんだが、

見逃しても全く損はない。

 

 

 

 

『ローグ・ワン』84点

starwars.disney.co.jp

【物語】★★★★☆

【演技】★★★★☆

【映像】★★★★☆

《総合評価》84点

 

正直「微妙かもなあ」と思って観にいったのだが、

個人的には「エピソード7 フォースの覚醒」より面白かった。

もう少し褒めると、歴代SW作品の中でも上位に入る面白さだった。

「そんなバカな」と思われるかもしれないが、そう考える理由は、後で3つ説明する。

 

まず最初に断っておくと、この作品は下駄を履いている。

言うまでもなく、これまでのSW作品が作り上げた世界観があっての、スピンオフ作品なのだから、その財産の上に成立する映画だ。

 

だから「物語」にしても「映像」にしても最初から有利なスタートラインに立っている。

でも、うまく作らないと、単なる便乗作品となるだろう。

本作は、そうなっていない。

うまく、財産を生かしつつ、オリジナリティも出し、

単品で優れた娯楽作品になっている。

 

物語は、SW1作目(エピソード4)の冒頭につながる有名なエピソードが下敷きになっている。

レイア姫が手にし、R2D2に託し、ルーク・スカイウオーカーが手にする「デススター」の設計図。SW1作目で大きな役割を果たしたこの設計図をめぐるストーリーだ。

この設計図を、「ローグ・ワン」と言う愚連隊が入手するために死闘を繰り広げるのだが、デススターの脅威を観客の多く(全員?)が知っているだけに、この展開見ていて盛り上がる。

なお、このローグ・ワンは、正規軍ではなく、いわば、はぐれものの集団。それが、各々の使命感、覚悟から、帝国に挑む様は、ワクワクしてしまう。

 

映像は、いつものSWクオリティだから見ていて安心である。

白兵戦、宇宙艦隊戦、どれも迫力満点だ。

出番は少ないが、ダース・ベイダーの存在感、無双感もえげつない。

ある意味、「脂の載った」ベイダー卿の強さは、心胆寒からしめる。

 

演技は、少し甘めにつけて星4つ。

フォレスト・ウィテカーとドニー・イエン以外は割と地味な配役(いや、この2人もそこそこ渋い存在)だが、皆、うまく「無名の戦士」を演じている。

変に浮いた登場人物がいないのは、演出や脚本のおかげであるが、

役者の演技力も、それに貢献しているだろう。

 

最後に、本作が本家本流の「エピソード7」より優れていると思った理由を3つ述べる。

 

その1。

SWという財産の使い方がうまかった。

安易に有名キャラクターを登場させたりしなかったのが潔よい。

世界観は使い倒しつつ、ストーリーのオリジナリティを毀損していない。

「エピソード7」は、それが「売り」とは言え、昔の有名人を総登場させ、それでポイントを稼いだ感じがある。

オールドフアンとしては、確かに嬉しいのだが、やや安易さは否めない。

 

その2。

「その1」と少し関係するが、ストリートして「続編」が想定されていない。

1つの映画作品として「ローグワン」は完結しているのだ。

これは個人的には評価できる。

「エピソード7」は、確かに楽しめる映画だが、「あと2作続くよ」という前提があるので、映画単体として評価しづらいのだ。面白いのかそうでないのかは、あと2作見てみないとなんとも言えない。

その点「ローグワン」は、これ1作で「終わらせている」。

映画としての魅力が成立しているのは、こちらに軍配があがる。

 

その3。

変に、商品化を狙ったキャラクターがいなかったのが、好ましかった。

これは、必ずしも「だめ」というわけではないが、例えば「エピソード1」のジャージャーフィンクスや、「エピソード7」のBB8は、ある程度商品化を想定したものではないかと勘ぐってしまう。そういうことに気づくと、ブログ主は、萎えるのだ。

その点、「ローグワン」のキャラクターは、総じて「華がない」。

そこが素敵。

 

 

色々な人のレビューを見ていると、前半がだるい、などの意見も聞かれる。

思い返してみると「そうかも」と思わないでもないが、

ブログ主はめちゃめちゃ楽しめたので、何がともわれ、一度見て欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シークレット・オブ・モンスター』49点

secret-monster.jp

【物語】★★☆☆☆

【映像】★★★☆☆

【演技】★★★☆☆

《総合評価》49点

 

あれ? そうなの?

と、悪い意味で予想を裏切られた映画。

予告編を見て少し期待していたのだが、

見事に裏切られた。

予告編では「この謎が解けるか」とか「衝撃云々」と言われている。

だがしかし。

衝撃云々はともかく、謎は、一切ない(と思う)。

ただのサイコパス少年の乱行を、ただただ目撃する映画。

いまいち、楽しみ方がわからない。

 

ストーリーは、第一次世界大戦後のフランスが舞台。

アメリカのエリート外交官と、ドイツ系秀才母の間に生まれた少年が主人公。

不安定な欧州の雰囲気は、映画でいい味出している。

日本人にはよくわからないが、あの頃、英米が欧州を政治的に作り直していたんだなあ、と感慨深く見た。

で、そんなややこしい世界観の元で働く両親に、やや放任気味で育てられた少年が、発育の過程で異常な行動を示すようになる。

天才の一面と、粗暴で異常な一面を見せ始めるのだ。

ここから「どうやって独裁者に至るのだろう」と言うところが見せ所だと思うのだが、そこがいまいちつまらない。

単なる情緒不安定の引きこもりみたいで、見ていて苦痛である。

「なるほど、これが独裁者になるきっかけか」みたいなものが、見当たらない。

で、ラスト5分くらいで急に独裁者になってる。

なんじゃそりゃw

前衛映画なのかこれは。

もう少しストーリーで楽しませてほしい。

未来の独裁者ものなら、例えばヒトラーのクローンを扱った『ブラジルから来た少年』を見習ってほしい。

本作では、クローンのヒトラー少年が登場するが、彼はとても心優しく、正義感溢れる少年として登場する。それを見て観客は「ああ、やはり環境が人を悪に染めるのであって、生まれつき悪の人間はいないんだ」と安堵する。しかしラストで、少年は主人公を助けるために、悪人に犬をけしかける。その時の少年が見せた愉悦に浸った表情を見て、映画の観客は愕然とするわけだ。「あ、この子はやばいかもしれない!」と。

そうしたストーリーを期待したのは、期待しすぎと言うものだろうか。

 

映像は、綺麗だった。

第一次大戦終了後と言う特殊な状況を、美しくカメラが捉えている。

ただ、そんな映像も、情緒不安定の引きこもりの話に使われると、いまいち生きてこない。

また、不用意に長いカットがあるのも気になった。じっくりと長回しで見せるのも演出のテクニックだが、断言しよう、この監督とカメラマンは、その力量がない。ただ無駄に長ったるいカットにすぎない。

 

演技は、主人公の子役は頑張っていたと思う。不気味だし、狂気を孕んでいる。

でも、「衝撃」と言うほどではないなあ。

あと、大人たちも、いまいち。

家政婦のおばさんはちょっとよかった。

 

久々のミニシアター系映画だったので、少し色々じっくりと考えて、楽しもうと思ったのだけど、残念な作品であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『シン・ゴジラ』87点

shin-godzilla.jp

 

【物語】★★★★☆

【演技】★★★☆☆

【映像】★★★★☆

《総合評価》85点

 

ブログ主はゴジラ映画が大好きである。

平成ゴジラも含め、ハリウッド版(マグロをたべるやつを含む)も、ほぼすべて観た。

伊福部昭のサントラも買った。

それくらい好きなのであるが、『メカゴジラの逆襲』以降、つまり、平成ゴジラシリーズ、ハリウッド版ゴジラ2作は、とても面白かったかといえば、やや微妙なものもあった。昨年公開されたギャレット・エドワース版『ゴジラ』はかなり良い方だったが、他は、「フアンだから楽しめる」「でも、ちょっと苦笑い」的な作品が多かった。

 

本作も、観る前は期待よりも不安の方が大きかった。

進撃の巨人』や『テラフォーマー』になってるのではないだろうか。

『スペースバトルシップ ヤマト』や『デビルマン』を超えてしまうのではないか。

そんな不安もありながら、「いや、庵野だから大丈夫」と自分を鼓舞し、「いや、出渕の実写もひどいから庵野も心配だ」、といった日々を過ごした。

 

いずれにせよ、公開したら劇場鑑賞することは決めていた。

ブログ主は、ゴジラとロメロとジョン・カーペンターは、どんなに前評判が悪かろうが観に行くと決めているのだ。どんなに駄作でも、死ぬまでささやかなパトロンとして応援し続ける覚悟である。

 

で、事前情報もほとんどなしに観にいったわけだが、

一言で言うと、すっっっっっっっごく面白かった。

ああ、よかった。

贔屓目なく、ゴジラワールドに没頭できた。

ただし断っておくと、小学生の子供や、アクション映画には興味があるけど怪獣映画には興味がない女性などにとっては、やや評価が低いかもしれない。

幼少期に特撮映画やロボット映画が好きで、大人になった少年が狂喜乱舞できる作品。

「これが日本映画の限界だよね」とか「予算も少ないしハリウッドには勝てないよね」とか、そういう言い訳が頭をよぎらずに楽しめる映画。

それが、本作である。

 

ネタバレになるから物語についてはそれほど触れないが、基本的に初代ゴジラの話をなぞっている。つまり、シンプルだ。

初代ゴジラの公開はブログ主が生まれる前のことだから、リアルタイムでは鑑賞していない。ただ、リバイバル上映があったので、劇場に観にいった。

そのとき「おそらく当時、この映画は怖い映画だったんだろうなあ」ということだ。ただし、高校生の私が20年以上前に作られた白黒映画を見て、実際にはそれほど怖いとは思わなかった。

だが『シン・ゴジラ』は、怖かった。東京の街を、巨大な暴力が襲う。

初代ゴジラをリアルタイムで観た人も、こんな怖さを感じたんだろう、と思った。

 

物語は単純だが、登場人物やそのセリフ、字幕は、ものすごい量になっている。

子供にはおそらく、咀嚼しきれないくらいだ。

しかし、そこはさすが庵野氏の脚本、心地よいスピード感でサクサク進む。

よく考えてみればゴジラが出てくるアクションシーンは1時間以下なのだが、残りの1時間、一切ダレることがない。これは、脚本と編集の勝利だろう。

 

演技も、竹内豊はじめ、みんな頑張ってる。

「こいつの演技はすごい」というものはないが、庵野脚本をきちんと演じきっている。

そのため、みんなかっこいい。

ただし石原さとみをのぞく(笑)。

 

映像は、よかった。

ハリウッドのバリバリCG映画と比較すれば、確かに、幾分見劣りする。

だが、映像に味があるのだ

なぜなら、特撮映画だから。

トランスフォーマーのCGなど、どんなにすごいことが起こってももはや何の感慨もないが、シン・ゴジラの映像は、いいのだ。

何がいいのか、というのを口で言い表すのは難しいが、庵野という作家が、魂を削って、作品に命を吹き込んでいるのがよくわかる。それが、堪能できるのだ。

また、それを実写映画としてまとめている樋口監督も、褒めるべきであろう。

やや「戦隊アクション映画」っぽい、、つまり子供っぽい場面もあるのだが、総じて、大変クオリティの高い怪獣映画を撮っている。

 

ちなみに、ゴジラにはとんでもない必殺技が用意されている。

予想の範囲を超える、しかし、「う〜む、そうきたか」と半ば納得する必殺技だ。

これについても賛否両論があると思うが、ブログ主は「アリ」だと思う。

なにより、インパクトが凄まじかった。

冒険するときは、中途半端より、思い切ってやり切る方がいい。

 

この映画が海外で評価されるかどうかは知らない。

だが、もうそんなことはどうでもいいのではないか。

ゴジラフアンが狂喜するゴジラ映画が、誕生したのだ。

そんなことはありえないだろう、と思っていた映画である。

 

最後に少しだけ、減点についても触れておこう。

先にも述べたように、子供や女性を置いてきぼりにしたところはあるので、

万人にうけない、ということで減点した。

ただ、一個人としては、この割り切りは大変ありがたいことである。

またゴジラの倒し方で、やや滑稽に見えるようなところがあった。

これは、ブログ主の心の中でも賛否両論なのだが、あえて「減」とした。

最後に、やはり石原さとみである。

進撃の巨人』のときにも思ったが、調子のってるな〜(笑)

本人はノリノリなのだが、観ていて、ちょっと引く。

キャスティングにあたり、大人の事情もあったのだろう。

スポンサーの事情もあったのかもしれない。

 

しかし、さすが庵野である。

あれだけ目立つ役割を与えながら、おいしいところは全部市川実日子に持って行かせてる(ブログ主の感想です)

石原さとみがバンバン登場するのに、むしろ市川実日子が地味〜に男心を奪っていくのだ。

この手法はきっと、アスカを目立たせながら、実は綾波ミサトさんで得点を荒稼ぎしたエヴァのの手法と同じなのだろう。

 

庵野氏には、できればもう一本、ゴジラを撮っていただきたい。

 

 

 

 

 

 

 

『デッドプール』76点

www.foxmovies-jp.com

 

【物語】★★★☆☆

【演技】★★★★☆

【映像】★★★☆☆

《総合評価》76点

 

最初は鑑賞するつもりがなかった。

コメディ映画は好きだが、「おちゃらけ」「ギャグ」映画は嫌いだから。

えてして、ダジャレとウケねらいの演出のオンパレードで、

映画作品としてのクオリティが低いからだ。

これも、その手の映画だと思っていたが、意外に評価が高いレビューが散見され、

気になって映画の日に見に行った。

結構面白かった。

笑いは予想通り(あるいは少し下回る)が、

映画の出来は、思った以上にしっかりとできていた。

 

物語は基本的に単純だ。

ガンで余命宣告された主人公に悪の組織が「人体実験を受けろ」と勧誘する。

実はこの組織、ミュータントの人身売買をしていた。

主人公は捕らえられ、拷問され、改造されるが、なんとか脱出する。

超人的な回復力を身につけ、ガンも克服するが、

脱出の際に半殺しにあい、また、火事にみまわれ全身ケロイドになる。

あとはお決まりの、ヒーローVS悪の組織、である。

とりたてて意表をつくストーリー展開はないが、

一本調子で話を進めるのではなく、カットバックを挟んで、

飽きないような話の展開をするあたりは面白い。

 

また、ストーリーではないが、主人公のキャラ設定はなかなか新鮮。

一言で言えば色物。

ちょっぴりの正義感は宿すものの、品行方正の真逆の人間で、

下ネタと人をちゃかす思考回路が常にフル回転している。

やや過剰で鼻に付くところもあるが(予告編では、ちょっとそこを恐れていた)

思ったほど、悪くなかった。

 

演技は、考えてみるとよくやってる。

というのも、覆面をかぶっているのに、きちんとコメディをしているからだ。

顔を見せたほうが、顔芸などで笑わせることができるのに、

そのハンデを克服してコメディをやってのけているのだから、

脚本のうまさと、演技力の勝利だろう。

周囲のサブキャラもいい味を出してる。

X−MENの仲間や、バーのマスターの親友など、

どいつもなかなか笑わせる。

 

映像は、しっかりきっちり金をかけており、見応えあり。

アクションシーンもかっこいい。

このあたりで手を抜かれると、単なるギャグ映画になるので一安心した。

 

原作は知らないが、映画単品として悪くない作品である。

ただ、女性および未成年者は、楽しめないかもしれない。

オッさんがアクションと下品な笑いを楽しむのに、うってつけの作品だ。

ブログ主は、それに該当する。

 

 

 

 

 

 

 

 

『クリード チャンプを継ぐ男』89点

クリード/チャンプを継ぐ男 (吹替版)

クリード/チャンプを継ぐ男 (吹替版)

【物語】★★★★☆ 

【演技】★★★★☆

【映像】★★★★☆

《総合評価》89点

 

面白い、という噂を聞いていたが、

期待を裏切らない映画だった。

確かに面白い。

 

いうまでもなく、『ロッキー』の後継作品である。

これまでと違うのは、シルベスター・スタローンは製作に携わっておらず、

新鋭ライアン・クーグラーが監督、脚本をつとめていること。

このライアン監督が、自ら脚本を書き、スタローンを口説いたのだ。

スタローンは、あくまで助演に徹している。

 

ブログ主はてっきり、スタローンが監督をしていると思った。

あるいは、職人の監督さんを「かたち」だけ置いて、

実質は自分で製作総指揮をしているのかと思った。

それくらい、これまでのシリーズとの違和感がなく、なおかつクオリティが高い。

スタローンが製作にタッチせず、ここまで素晴らしい『ロッキー』の後継作が生まれたことは、驚嘆に価する。

 

ストーリーはシンプルである。

ロッキー・バルボアのライバルで、1作目と2作目で死闘を繰り広げたアポロ・クリードが愛人に産ませたアドニス・クリード

アポロは3作目でドラコ(ドルフ・ラングレン!)との試合で死亡している。

偉大な父親を知らずに育ったアドニスは、ある日父の存在を知らされ、運命に導かれるように、ボクシングの世界に入っていく。

しかし素質はあるが、経験が浅い。

そのアドニスがトレーナーを依頼するのが、今は飲食店や事務のオーナーとして静かな暮らしを送っているロッキー。

戸惑いつつも、トレーナーを引き受けるロッキー。

ロッキーに、父性を重ねるアドニス。

厳しい訓練や、自らの出自との葛藤などを乗り越え、チャンピオン戦へと向かっていく。

 

うん、いい。

わかりやすくて、共感できる。

あっと驚く大どんでん返しや、深い話があるわけではないが、

万人に受ける、素直な筋書きだ。

もちろん、退屈なんてしない。

笑いあり、スリルあり、愛もある。

 

演技については、スタローンがナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の助演賞を頂戴している。この賞の価値はわからないが、たしかにいい演技だ。

比べるのもあれだが、シュワルツネッガーのおじいちゃん役『ターミネータージェネシス』が酷い出来だったことを考えると、『クリード』のスタローンのおじいちゃん役は、雲泥の差で素晴らしい。

あと、アドニス役のマイケル・B・ジョーダン。

これが、アポロ、つまりカール・ウエザースに似て見えるから不思議だ。

目つきなんか、面影がある。ように見えてしまうのだ。

似ているから選んだわけではないと思うのだが、演出のなせる技か。

 

映像にも一言触れておきたい。

ボクシングの試合のシーンが3回出てくるのだが、カメラワークが素晴らしいのだ。

動きの激しいスポーツなので、通常は、カットを細かく切るか、引いてロングショットで撮るのがセオリーだが、本作では至近距離の長回しが多用されている。

カメラマンが機動的に動いているのか、CGを使っているのか、そのあたりはわからないが、「おいおい、そんなに近づいたらパンチがあたってしまうぞ」と心配になるくらい臨場感がある。自分がリング上にいる感覚だ。

 

というわけで、スキがなく、非常に高いレベルの作品である。

先日『モンスター 新種到来』で受けた痛手は、すっかり癒えた。

 

「89点」と、ギリギリ「90点」に届かなかったのは、

ものすごく完成度が高いのだが、『これ』という突き抜けたものがないからだ。

クリード』は誰が見てもものすごく楽しめる作品だが、

反面、熱狂的なフアンが生まれるような要素は、なかった。

これは最近だと『オデッセィ』にも言えたこと。

後世に語り継がれるためには、突き抜けた何かがほしいところ。

ただしその「何か」は、人為的に作れるのかどうかわからないが・・・

 

ところで、この監督ライアン・クリードは、現在30歳とのこと。

その若さでこのクオリティの作品を作れるとは、末恐ろしい。

期待の監督である。

 

 

 

 

 

 

 

 

『モンスターズ 新種襲来』30点

monsters2-movie.com

 

【物語】★☆☆☆☆

【演技】★★☆☆☆

【映像】★★☆☆☆

《総合評価》30点

 

久々の「大はずれ」映画。

すがすがしく、無駄金を使った。

 

この映画は『モンスターズ 地球外生命体』の続編。

前作は、低予算映画ながら高い評価を受け、

監督ギャレス・エドワーズはその後、ハリウッド版『ゴジラ』の監督に抜擢された。

ただ、ブログ主は、そんなにこの映画が面白いとは思わなかった。

変わったロードムービーだなあ、という感じ。

日常にエイリアンがいる世界でのロードムービー

ある種の新鮮さはあるが、基本的には退屈な映画だった。

 

で、本作。

『新種襲来』と銘打ち、さも『エイリアン2』のように前作からのパワーアップを匂わせているが、パワーアップ(?)したのは、アクションではなく、ロードムービー感であった。

 

まずその『新種』だが、たいして出てこない。

そもそもモンスター自体、この映画ではあまり登場しない。

登場しても、それほど意味のある存在ではない。

予告編に奇しくも「モンスターをよそに人間同士で争い・・・」というキャプションが入るが、それ。

 

本作は、ちょろちょろっとモンスターが出てくるが、そこはどうでもよくて、

中東に派兵された米軍兵士と現地戦闘員および住民の話。

でもって、そのストーリーが、ステレオタイプこの上ない。

反戦団体が作った啓蒙ビデオを見せられているようだ。

 

『アメリカンスナイパー』のようなメッセージ性もない。

『グリーンゾーン』のようなアクション映画性もない。

ジャーヘッド』のようなコミカル(イロニー?)もない。

 

いや、つらいね。

とてもシラフでは観れないしろもの。

 

なお、予告編はSF大作を思わせるが、CGを使ったのは、ほぼ、そこがすべて。

それ以外の110分くらいは、すべて低予算のしょぼい映像である。

 

回避されることをおすすめする。